防災用品は、購入して保管するだけで役立つとは限りません。
家具転倒防止用品は、家具と天井に合った寸法で正しく設置する必要があります。ジャンプスターターは、車両への適合と充電状態を定期的に確認しなければ、必要なときに使えない可能性があります。
避難はしごも、火災が起きてから初めて取り付け方を確認するのでは遅いため、保管場所、取り付ける窓、地面までの高さ、避難する順番を事前に決めておくことが大切です。
私はこれまで、ラグやマットのズレを抑える滑り止めテープ、家具転倒防止用のH型つっぱり棒、車のバッテリー上がりへ備えるジャンプスターター、家庭用の避難はしごを実際に購入して使ってきました。
この記事では、自宅と車へ備えた防災・安全用品4製品を比較し、設置場所、適合条件、保管、点検、使用前に確認したい注意点を紹介します。
- 実際に使った防災・安全用品4製品の特徴
- ラグやマットのズレを抑える方法
- 家具転倒防止つっぱり棒を設置する条件
- ジャンプスターターの保管と点検
- 家庭用避難はしごを選ぶ前の確認点
- 購入後に行う点検と家族での共有
日常の転倒防止には滑り止めテープ、地震による家具の転倒対策にはつっぱり棒、車のバッテリー上がりにはジャンプスターター、階段や廊下が使えない場合の避難手段には家庭用避難はしごというように、役割を分けて考えましょう。
Ryu実際に使った防災・安全用品を比較
| 製品 | 備える危険・用途 | 主な特徴 | 良かったところ | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| サンコー 滑り止めテープ | ラグやマットのズレ・めくれ | 幅3cm×長さ3m・吸着タイプ・洗濯可能 | 必要な長さに切り、ラグやマットへ貼り付けやすい | 床とマットの素材によって吸着力が異なり、転倒を完全に防げるものではない |
| アイリスオーヤマ H型つっぱり棒 SSP-30W | 地震時の家具転倒対策 | 高さ30~45cm・2本セット・H型構造 | 壁へ穴を開けず設置しやすく、家具上部を2か所で支えられる | 天井と家具の強度・寸法・設置位置を確認し、可能なら他の固定方法と組み合わせる |
| LUFT ジャンプスターター | 車やバイクのバッテリー上がり | 12V車用・モバイルバッテリー・LEDライト | 救援車を用意せず始動を試せ、非常用電源としても使える | 対応排気量、接続順序、充電残量を確認し、炎天下の車内へ放置しない |
| ステップダンⅡ 家庭用避難はしご | 火災などで通常の避難経路が使えない場合 | 2本のロープ間に手掛かり・足掛かりを備えた避難ロープ装置 | 収納しやすく、窓などからの予備の避難手段を用意できる | 階数・高さ・取り付け場所に合う型式が必要。使用前に避難計画と取り付け方法を確認する |
防災・安全用品を選ぶ基準
最初に備える危険を分ける
滑り止めテープは日常の転倒防止、つっぱり棒は地震時の家具転倒防止、ジャンプスターターは車のバッテリー上がり、避難はしごは火災などで通常の経路を使えない場合の備えです。
すべてを防災用品としてまとめて購入するのではなく、自宅や車で起こり得る危険を洗い出し、優先度を決めましょう。
設置場所と製品の寸法を測る
つっぱり棒は、家具上部から天井までの高さが対応範囲内でなければ設置できません。
避難はしごは、窓やベランダから地面までの高さ、取り付け金具を掛けられる場所、下ろした先の障害物を確認します。滑り止めテープも、ラグの大きさや貼る位置によって必要な長さが変わります。
製品だけでなく建物や車両の条件を確認する
家具転倒防止用品は、家具の奥行き、天井の強度、壁の構造によって適した固定方法が異なります。
ジャンプスターターは、12V・24V、ガソリン車・ディーゼル車、排気量、ハイブリッド車や電気自動車の補機バッテリーなど、車両ごとの条件を確認してください。
避難はしごは、集合住宅の共用部分や窓への設置が管理規約、消防計画、建物の構造に合っているかも確認します。
購入後に点検できるものを選ぶ
防災用品は使わない期間が長くなりがちです。吸着面の汚れ、つっぱり棒の緩み、ジャンプスターターの充電状態、避難はしごのロープや金具、収納場所を定期的に確認しましょう。
点検日を決め、スマートフォンのカレンダーなどへ登録しておくと忘れにくくなります。
ラグやマットのズレ対策に使った用品
サンコーの滑り止めテープは必要な長さに切って使える
サンコーの滑り止めテープ KD-32は、幅3cm、長さ3mの吸着タイプです。
ラグ、カーペット、玄関・洗面所・キッチンなどのマット裏へ貼り、床とのズレや端のめくれを抑えます。はさみで必要な長さに切れるため、小さなマットから大きなラグまで貼る位置を調整しやすいです。
私は大きめのラグ、ダーツマット、洗面所マット、キッチンマットへ使用しました。掃除機やロボット掃除機を使うときに、毎回マットを直す手間が減った点が便利でした。
吸着面のホコリや汚れを洗うことで、繰り返し使える点も利点です。床暖房や洗濯への対応は、使用する製品とマットの表示を確認してください。
一方、毛足の長いラグ、凹凸のある床、マット裏の素材によっては十分に吸着しない場合があります。転倒を防ぐことを保証するものではないため、端が浮いていないか定期的に確認しましょう。


地震による家具転倒対策に使った用品
アイリスオーヤマのH型つっぱり棒は家具上部を2か所で支える
アイリスオーヤマのH型つっぱり棒 SSP-30Wは、家具と天井の間へ設置する転倒防止用品です。
対応する高さは30~45cmで、2本セットになっています。H型の台座で家具上部と天井へ接触し、左右へ1本ずつ取り付けて使用します。
壁へネジ穴を開けずに取り付けやすいため、壁への固定が難しい部屋で取り入れやすい方法です。ドライバーを使わず、伸縮させながら圧着できます。
設置時は、家具の左右両端に近い奥側へ置き、天井に対して垂直になるように調整します。締め付け不足では緩みやすく、締めすぎると家具や天井を傷める可能性があります。
突っ張り棒だけで、すべての家具転倒を防げるわけではありません。家具と天井の間が広い、家具の奥行きが浅い、天井や家具の強度が不足している場合は、十分な効果を得られない可能性があります。
壁へ固定できる場合はL型金具などを優先し、難しい場合もストッパー式の器具や粘着マットとの併用を検討してください。家具が倒れても出入口を塞がない配置にすることも大切です。


車のバッテリー上がりに備えて使った用品
LUFTジャンプスターターは救援車なしで始動を試せる
LUFTのジャンプスターターは、車やバイクの12Vバッテリーが上がったときに、外部から電力を供給してエンジン始動を試すための用品です。
私が使用しているのは第2世代の500Aモデルで、購入後に実際のバッテリー上がりで複数回使用しました。現在販売されているモデルは仕様が異なるため、購入前に最大電流、対応排気量、端子、付属品を確認してください。
本体はモバイルバッテリーとしてスマートフォンなどを充電でき、LEDライトも搭載しています。夜間の作業や停電時の補助電源として使える点も便利です。
使用前には本体の充電残量を確認し、車両の電圧と対応排気量が製品条件に合うことを確認します。赤と黒のクリップを接続する場所や順番は、使用しているモデルと車両の説明書に従ってください。
エンジンが始動しても、車載バッテリー自体の劣化や充電系統の不具合が解消したわけではありません。始動後は整備工場や販売店で点検を受けましょう。
ジャンプスターターにはリチウムイオン電池が使われています。炎天下の車内、直射日光が当たる場所、高温になるトランクやダッシュボードへ放置しないでください。
膨らみ、異臭、異常な発熱、充電できないなどの変化がある場合は使用を中止し、メーカーへ相談します。リコール情報も定期的に確認しましょう。


通常の避難経路が使えない場合に備えた用品
ステップダンⅡは家庭用の予備避難経路として備える
ステップダンⅡは、2本のロープの間に手掛かりと足掛かりを設けた避難ロープ装置です。
ステップダンⅡは2~3階に対応しています。購入時は、使用する窓から地面までの高さ、取り付け場所、製品の全長などを確認する必要があります。
今回使用した5013は、カラビナ式の取付金具を備え、全長4.6m、ステップ13段の仕様です。専用ケースへ収納でき、窓の近くなどへ保管しやすくなっています。
ただし、避難はしごは火災が起きたときに商品を取り出せれば使える、というものではありません。
カラビナやフックを安全に取り付けられる場所があるか、下ろした先に物置、車、植木、電線などがないか、窓から出る動作ができるかを事前に確認します。
実際の災害時に初めてロープを展開すると、取り付けや順番で迷う可能性があります。家族で保管場所と使用方法を確認し、自治体や消防機関の防災訓練へ参加して、避難行動を話し合っておきましょう。
煙や炎が窓の外へ回っている、取り付け場所が損傷している、下へ安全に降ろせないなど、使用が危険な状況では無理に展開しません。119番通報後は消防機関の指示にも従ってください。


防災・安全用品を実際に使って感じた良いところ
危険ごとに小さな対策から始められる
滑り止めテープは貼り付け、つっぱり棒は家具上部への設置、ジャンプスターターと避難はしごは保管場所の確保から始められます。
大がかりな工事が難しい場合でも、現在不足している対策を一つずつ追加できます。
日常でも使える用品がある
滑り止めテープは普段の掃除や歩行時のストレスを減らし、ジャンプスターターはモバイルバッテリーやLEDライトとしても使えます。
日常的に状態を確認できる用品は、長期間放置しにくい点も利点です。
実際に設置すると不足している条件に気づける
家具と天井の距離、車内以外の保管場所、避難はしごを取り付ける窓など、商品を購入して初めて気づく条件があります。開封したまま保管せず、設置または使用場所まで確認すると、必要な見直しが分かりやすくなります。
防災・安全用品を使って気になったところ
設置条件を満たさないと使えない
つっぱり棒は高さと天井の強度、避難はしごは階数と取り付け場所、ジャンプスターターは車両の電圧と排気量が合わなければ使えません。購入前の寸法・仕様確認が重要です。
購入後の点検を忘れやすい
つっぱり棒の緩み、ジャンプスターターの充電、避難はしごのロープや金具は、使用しないまま年月が経つ可能性があります。点検日を決めていないと、必要なときに使えない状態へなることがあります。
一つの商品だけで安全を確保できない
家具転倒対策は固定器具だけでなく、家具の配置や重い物を下へ収納する工夫も必要です。車のバッテリー上がりでは、ジャンプスターターだけでなくロードサービスの連絡方法も確認します。
避難はしごは、火災警報器、通常の避難経路、家族の連絡方法と合わせて考えましょう。
購入する前に確認したいこと
自宅と車の危険を一覧にする
ラグのめくれ、背の高い家具、車のバッテリー、2~3階からの避難など、自宅と車で不安な点を書き出します。発生しやすさと被害の大きさから、優先する対策を決めましょう。
寸法と適合条件を記録する
家具と天井の距離、窓から地面までの高さ、ジャンプスターターを使う車の電圧と排気量を記録します。購入画面だけで判断せず、製品説明書と使用する家具・車両・建物の条件を照らし合わせてください。
保管場所を先に決める
避難はしごを奥の収納へ入れると、緊急時に取り出せません。
ジャンプスターターは車の近くへ置きたい用品ですが、リチウムイオン電池を炎天下の車内へ放置するのは危険です。自宅やガレージなど、温度が上がりにくく持ち出しやすい場所を検討します。
家族と使用方法を共有する
購入者だけが設置場所や使い方を知っていても、本人が不在のときに使えません。
家具の点検場所、ジャンプスターターの保管場所、避難はしごを使う窓、ロードサービスや119番への連絡方法を家族で共有しましょう。
目的別に選ぶならどれが向いている?
ラグやマットのズレを抑えたい
掃除機をかけるたびにマットが動く、端がめくれる場合は、サンコーの滑り止めテープが候補です。床とマットの素材を確認し、定期的に端の浮きや吸着面の汚れを点検してください。
壁へ穴を開けず家具転倒対策を始めたい
家具と天井の間が30~45cmで、設置面に十分な強度がある場合は、アイリスオーヤマのH型つっぱり棒が候補です。可能であれば、L型金具、ストッパー、粘着マットなどとの併用も検討しましょう。
車のバッテリー上がりへ自分でも備えたい
12V車で製品の対応排気量を満たす場合は、LUFTのジャンプスターターが候補です。説明書を車内ではなく自宅でも読める状態にし、充電状態と本体の異常を定期的に確認してください。
2~3階からの予備の避難経路を用意したい
通常の階段や廊下を使えない場合に備えるなら、使用する階と高さに合うステップダンⅡが候補です。購入前に取り付け場所と降下先を確認し、家族で避難計画を話し合ってください。
防災・安全用品4製品の使用レビューまとめ
今回は、実際に購入して使った防災・安全用品4製品を紹介しました。
サンコーの滑り止めテープは日常のラグやマットのズレ、アイリスオーヤマのH型つっぱり棒は地震時の家具転倒、LUFTのジャンプスターターは車のバッテリー上がり、ステップダンⅡは通常の避難経路が使えない場合へ備える用品です。
用途が異なるため、一つの商品を購入すれば自宅と車の安全対策が完了するわけではありません。
設置場所と寸法、建物・家具・車両への適合、保管場所、定期点検、家族との共有まで含めて準備することが大切です。
防災用品は「いつか使うもの」としてしまい込みやすいため、半年に一度など点検日を決め、状態と使用方法を確認しましょう。
詳しいレビューを確認する
目的に合わせて詳しい使用感を確認する場合は、次の3記事がおすすめです。
・車のバッテリー上がりへの備えと使用経験を確認する


・家具と天井の間へ設置する転倒防止用品を確認する


・2~3階からの予備避難経路として備える用品を確認する














